黒部ダムレストハウス周辺や黒部駅構内に多くのパネル写真等が展示されている。写真は、黒四発電所の説明とトンネル開通を祝う式典での工事関係者の様子が写し出されている。

レストハウス脇にも破水帯の水が湧き出ている。また、近くに殉職者の慰霊碑があり、献花が今でもなされている。
このダムの総工費は当時の費用で513億円。作業員延べ人数は1,000万人を超え、工事期間中の転落,
トラックやトロッコなどによる交通事故等による殉職者は171人にも及び、いかにダム建設工事が苦難を極めたのかがうかがえる。

堤の高さは、186mで日本一を誇る。毎年6月26日から10月15日までの期間中、水煙をあげながらものすごい勢いで水が放出される。観光に訪れた誰もがこの迫力ある放水に感動を覚え、言葉を失ってしまう。その放水量は、毎秒10立方メートル以上にもなる。このダムに蓄えられる水は、2億立方メートルで20万トンタンカー千隻分の規模。また、年間の電力発電量は、10億KWhで約30万戸が一年間に使用する電力量にあたる。

戦後、高度経済成長期を迎えると電力不足が発生し、関西地方では停電が頻発した。その事態を受け、関西電力の代表取締役(当時)太田垣士郎は1956年、戦前に調査(一割強程度)・計画・設計は実施したものの、開戦以降お蔵入りとなっていた黒部ダム建設事業を急遽たちあげた。それは、同社の社運をかけた一世一代の大規模プロジェクトであり、関西地方への電力供給ひいては経済活動の命運がかかっていた。黒部ダム建設にあたって工区を5つに分割し、それぞれに異なる建設会社が請け負う国策であった。

9:53 黒部駅に到着し、まずは展望台方面に向かう。但し、厳しい二百数十段の階段通路を息を切らしながら進まなければならない。
9:56 階段通路にある破水帯湧水。ダム建設当時の輸送路である関電トンネルの破水帯。トンネル内には、年間40億リットルの不純物を含まない銘水が湧き出ているという。黒部ダム建設工事現場はあまりにも奥地であり、初期の工事は建設材料を徒歩馬・ヘリコプターで輸送するというもので、作業ははかどらず困難を極めた。このため、ダム予定地まで大町トンネル(現在の関電トンネル)を掘ることを決める。しかし、破砕帯から大量の冷水が噴出し、死者が多数出る大変な難工事となった。別に水抜きトンネルを掘り、薬剤とコンクリートで固めながら掘り進めるという当時では最新鋭の技術が導入され、工期も短縮されトンネルは貫通した。この破水帯からの冷水がここから湧き出ている。

9:00 黒部ダムへの長野県側からの玄関口である扇沢駅に到着する。残念ながら雨模様ではあるが、多くの観光客で賑わっている。
9:30 駅の発着場には6両のトロリーバスが停車している。ゆったりとしたスピードで約16分の乗車で黒部ダムに到着する。普通の電車と同じように改札があり乗車券はバーコードで識別するシステムになっている。写真は、黒部ダム側で撮影したものである。
トロリーバスはトロリーコーチ(Trolleycoach)あるいはトラックレストロリー(Tracklesstrolley)とも呼ばれていて、日本語では無軌条電車と翻訳されている。見た目は普通のバスと同じでタイヤが四本、しかし屋根には集電装置がついていて、架線から電力を得て走っている。
日本では法的にトロリーバスはモノレールや新交通システム、ケーブルカー、浮上式鉄道(リニアモーターカー)などとともに特殊鉄道ということになっているので、分類としては鉄道ということになる。関電トンネルトロリーバスの発着場は「扇沢駅」「黒部ダム駅」と言われ乗り降りしている場所も地面から一段高くてプラットフォームのようになっている。また路線となる関電トンネル内には線路諸標という距離標や勾配標などが設置されており、JRや私鉄の線路脇にあるような鉄道特有の標識と同じ役目をしている。

後立山連峰の豊かな自然に囲まれた扇沢が立山黒部アルペンルート、長野県側からが出発点となる。全長5.4kmの関電トンネルを約16分で抜けると、なだらかな美しいアーチを描く世界屈指の黒部ダムがその雄姿を現す。
立山黒部アルペンルートの魅力は、3,000m級の山々が連なる立山連峰のすばらしい景観美に加えて、日本でもここでしかない珍しい乗り物。アルプス直下を電気で走る日本唯一のトロリーバス、ダイナミックな眺望を満喫できるロープウェイなど、他では体験できない乗り物を乗り継ぎながら、気軽にアルプスを楽しむことが出来る。
 ダムに貯えられた水を利用している発電所が黒部川第四発電所(黒四)であることから、俗に黒四(くろよんダム)とも呼ばれることがあるが、関西電力では、あくまでも「黒部ダム」と称している。

扇沢駅 トロリーバス
レストハウス脇の破水帯の湧水 殉職者慰霊碑
展望台よりを望む黒部ダムの放水 ダム堤体上部通路
黒四発電所説明板 昭和33年2月25日関電トンネル開通
二百数十段の階段通路を進み展望台へ 階段通路にある破水帯湧水
  黒部ダム(1454m)               
          From  大町 扇沢駅

■ 日 時   平成21年7月18日(土)                                             
■ コース    長野県大町市大町扇沢駅9:00 → トロリーバス出発時刻9:30 → 黒部ダム9:46〜11:00 → 扇沢駅11:18      
■ 地形図名    2万5千分の1   黒部湖(高山) 
■ 発着場所   長野県大町市大町扇沢駅                                                

地図
ホームへ      戻る